『姊妹』/張惠妹

『姊妹』/張惠妹買った順番で紹介してますが、アーメイ(張惠妹)の衝撃のデビュー作がこの『姊妹』(姐妹)。

バラード曲「原來你什麼都不要」が大ヒットして、その後台湾原住民のコーラスを取り入れたアップテンポナンバー「姊妹」も大ヒットしたのでした。
こうやって書くと普通のことのようだけど、原住民の歌手がヒットチャートのトップに上り詰めるというのは、実はすごく衝撃的なことだったんです。
日本にいるとまるで実感がないけれど、台湾において原住民というのは“被差別民族”なんです。
ちょうど阿妹が台湾で大人気を博していた頃、朝日新聞が取材に行ってて日本語の記事を読んだのですが、曰く

台北のパブ(ライブハウス)で歌っていて、お客さんに「歌が巧いね」と言われ、「原住民なんです」と答えると「ごめん」と謝られた。

というエピソードを阿妹自身が語っています。
すみません、資料が見つからないので原文からの引用じゃありません。

台東では原住民も多く、漢民族も原住民も混じり合って暮らしていますが、首都台北ではとくにそういった差別感情があるという話をあちこちから聞いています。
また、原住民の方と直接接して感じたことですが、彼ら自身も“差別されている”という感覚があるようです。

だから阿妹も勝ち抜きコンテスト番組でグランドチャンピオンになったのになかなかデビューの話が決まらず、デビュー当初は「自分が原住民だということをおおっぴらに言うな」と言われていたそうです。

もちろん原住民は「歌やダンスが巧い」というイメージがあり、素晴らしい歌手の方もいますが台湾の公用語である國語ジャンルで活躍する若い歌手というのは96年当時殆どいなかったと思います。

しかしこのアルバムのヒットで「原住民でも売れる」ということがレコード業界に広まり、その後立て続けに原住民の歌手がデビューし、その実力でヒットを勝ち取っています。

個人的にはこのアルバムはこってりしたベタなバラードが多くてあまり好きではなかったのですが、久々に聞き直してみると「衝動」「背叛」や「水藍色眼睛」のグルーヴ感というのは当時はなかなかめずらしかったと思うし、苦手なコテコテバラードも一歩間違えば演歌になりそうなギリギリのところで洋楽風のうねりがある。
それと言葉の一つ一つに重みがあって、彼女がすごく歌の世界を大事にしてるのが分かるなぁ。

このアルバムで一番好きなのは「解脱」という曲です。
意味が分からないながらも深く感動して、「なに言ってるのか知りたい!」と思い、辞書を引きながら一語づつ訳していったのが私が訳詞にのめり込んだ出発点です。

そしてCDで聴いたときはそんなにピンとこなかった「姊妹」ですが、コンサートで生歌を聴いたとき、意味がわからないけど泣けました。
そのときは2階席でステージがすごく遠かったのに、まるで彼女がすぐ近くにいるように感じ、私に直接「あなたはわたしの姉妹」と語りかけてくるように感じられたのです。

「なるよ!私、あなたのお姉ちゃんになる!!なりたい!!」
と心の中で叫びました。 イタいと言われても結構です。(きっぱり)

ちなみに彼女が私より半年ほど年上で、私の方が妹だってことに気付くのはサイト立ち上げのときでコンサートから5年後なんですけど。。。。(恥)

ファンの中でも『姊妹』が一番良かった、っていう人が多いですね。
最近はヒット曲に恵まれていませんが、それだけで張惠妹を評価しないで欲しいなぁと思います。
これを聴いてから評価を下しても遅くないですよ。
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