『也許明天』/張惠妹
2005.06.16 Thursday 21:03
ついでにアーメイ(張惠妹)の新しいアルバムのことも書いておこう。新しい、って言っても去年のだけど(汗)。
音楽は音そのものを楽しめばいいのであって、予備知識はまず音を聴いてからでいいと思うけど、このアルバムについてはちょっと背景を説明したい。
2004年6月、アーメイは“杭州事件”と呼ばれる中国ネチズンの抗議事件に巻き込まれた。
それ以前に2000年の陳水扁総統就任式典で台湾国歌を歌ったことにより“台湾独立派”とみなされ、中国国内でのCMや楽曲放送中止・コンサート/イベント出演禁止というめにあった。いわゆる“封殺事件”である。
当時締め出しを喰らったアーメイだがこういう“非文化的”な制裁は国際社会の反発を生み、結局10ヶ月後にイベントで大陸での復帰を果たした。
2004年4月アイスティーのCMキャラクターとしてCMに登場。食品会社主催のバンドコンテストにゲスト出演し、各地を回っていたのだが6月に杭州で学生を中心とした抗議活動に遭い、出演中止を余儀なくされた。
そのときネットを中心として様々な誹謗中傷、デマがばらまかれた。それをマスコミが報道し、今度は台湾側から「大陸に媚びている」などという論調が飛び出てきて、アーメイは大陸と台湾の両岸から責めたてられた。
8月に“封殺事件”以来初めての大型有料コンサートを北京で開いたが、厳重な警備がしかれ物々しい雰囲気だったという。しかし一度ついたイメージに世論は厳しく、会場は8割程度の入りだったそうだ。
そんな苦しい時期を経て生まれたのがこのアルバムなのだ。
中華圏ではシングル発売が少なく、アルバムからオンエアー曲を選びそれを“主打曲”と呼ぶのだが、このアルバムの第一主打曲「愛是唯一」を初めて聴いたとき、「あっ、なんか変わった」と思った。
これまでホれたハれたのどーでもいい曲ばっかり歌ってたのに、急にメッセージ性のある曲だったから。
しかも作曲はアーメイ本人だっていうからなおビックリ。
もともとインタビューとかではすごく良いことを言ってたのよ、彼女。だからラジオなんか聴きながら「それを歌にしろ!」とツっこみ入れてたんだけど、まさか本当にそうなるとは思ってもいなかった。
最近台湾では創作歌手と呼ばれる「作詞作曲自分でします」みたいなタイプが多く人気もあるのだが、私としては彼女は一生“歌うたい”として生きて、他人が作ったいい歌を歌ってくれていればそれでいいと思っていた。ワーナーに移籍したときに作詞は経験済みだけど、作曲をしたというのには驚いた。
発売前に「次のアルバムはロックです」という発言も聞いていたから、そりゃぁもう期待しまくり。発売日まで待てない~~~!!って感じでジリジリしてましたさ。
で、手元に届いて聴いたら、「あれれれれ~?」って感じ(笑)。
パッと聴いて好きだなと思ったのはベタなバラード「你好不好」だった。
あれ?(-_-;)
私Rock好きのはずなのに・・・。
う~ん、やりたいことは分かる。あなたはいつでも新しいことに挑戦してたいんだね。。。。
でも気持ちが先走ってて、アルバム全体としての印象が散漫になってしまっている。好き放題やっちゃいましたー!って感じは好感持てるけど、収拾つかなくなってるじゃん。
とりあえず、アレンジャーのMrtingTang発注に忠実すぎ!
「誰與爭鋒」は70年代キーボードロックっぽく、「關鍵時刻」はLINKIN PARKっぽくって言われたのか~!って感じ。
Mrtingの分かりやすい70~80年代テイストの編曲は好きだけど、こんな底の浅い仕事してちゃだめだよ(-_-;)
王力宏が作ってくれた「火」は個人的にイマイチ。funkやりたいんだろうけど、こういう軽めのよりもうちょっとどっしりした重めのgroove感溢れるやつの方が阿妹には合ってるんじゃないかな。
スカイ・ウー(伍思凱)さんにも「Funk調の曲をやりたい」と言って「走りすぎてる。台湾では受け入れられない」と断られたらしいけど、彼にこそこの仕事受けて欲しかった。。。
「那魯灣情歌」は「站在高崗上」以来久々の“山地歌”と呼ばれる原住民音楽がモチーフになった民謡(注※ 諸説あります)の焼き直しなんだけど、これまでこういう曲は意識的に避けていたんだと思う。
というもの以前インタビューで「いつまでも~♪あなたは私の姉妹、あなたは私のおばさん、あなたは私の姪っ子♪~みたいに歌ってるわけにいかない」と言っていて、固定されたイメージにとらわれるのを嫌っている節があったから。
でも“杭州事件”以降、自らのアイデンティティを揺るがすようなことがあったから最終的には“原住民”という自分の立ち位置を表現することに積極的になったのかな、と。
この曲はすごくパワフルで、台湾観光協会の東南アジア向けCMで使われているんだけど、日本でもこれ使ってくれないかな~。
「也許明天」のブルース調も良いんだけど、曲の展開がちょっと無理めでスムーズじゃない。「只愛高跟鞋」はオールディーズ風で、こういうノリの曲もちょっと面白い。
ホントに何でもやれちゃうんだよな、この子。
「誰與爭鋒」は途中のコーラスがQUEENっぽくて、最初聴いたときは爆笑してしまった。キーボードの音色もオルガン風なので、懐かしい(ってリアルタイムで聴いてないけど)キーボードロック。
「魅力十足」はアイスティーのCMソングだったんだけど、こういうスコーンと突き抜けた曲はわりと好き。Martingの編曲は好きだけど、作曲は評価してなかったのでこれは拾いモノ(笑)。
でも“天后”が歌う曲か、っていうと・・・・ちょっとねぇ。
個人的に感じたのは、歌声に悲壮感漂ってて、彼女が苦しんだ気持ちがいっぱい詰まってるのが感じられ、正直聴いてて辛い。重い。
騒動前にVo録音した「神采飛揚」「魅力十足」とそれ以外の曲を聴き比べてもらうと、ちょっと分かるかもしれない。
私はサイトをやっていて彼女のニュースをずっと追いかけているから、いろいろと余計なことを考えてしまうのかもしれないけど聴いてて苦しくなるので、しばらく封印してた。
決して出来は悪くないし、ワーナーに移籍してからのアルバムとしては一番好き。いい曲もあるし、なに歌わせても上手いんだけど何かが足りない。
まあ彼女に対してはこちらの期待も大きすぎるのかもしれないんだけどね。
阿沙さん@五彩華やdrewさん@あじあん・ちゃんぷるーでも褒めてもらっているけど、私の感想はインサックさん@原色大衆音楽図鑑EXに近いかな。
参考URL:(すべて繁体中文)
華納線上音樂雜誌 - 也許明天專區
音樂不寂寞/十推唱片良品:張惠妹-也許明天
銀河網路 音樂系:張惠妹《也許明天》
Visit Tiwan 2004 (音出ます)
Welcome to Taiwan 香港版 (音出ます)
これまでホれたハれたのどーでもいい曲ばっかり歌ってたのに、急にメッセージ性のある曲だったから。
しかも作曲はアーメイ本人だっていうからなおビックリ。
もともとインタビューとかではすごく良いことを言ってたのよ、彼女。だからラジオなんか聴きながら「それを歌にしろ!」とツっこみ入れてたんだけど、まさか本当にそうなるとは思ってもいなかった。
最近台湾では創作歌手と呼ばれる「作詞作曲自分でします」みたいなタイプが多く人気もあるのだが、私としては彼女は一生“歌うたい”として生きて、他人が作ったいい歌を歌ってくれていればそれでいいと思っていた。ワーナーに移籍したときに作詞は経験済みだけど、作曲をしたというのには驚いた。
発売前に「次のアルバムはロックです」という発言も聞いていたから、そりゃぁもう期待しまくり。発売日まで待てない~~~!!って感じでジリジリしてましたさ。
で、手元に届いて聴いたら、「あれれれれ~?」って感じ(笑)。
パッと聴いて好きだなと思ったのはベタなバラード「你好不好」だった。
あれ?(-_-;)
私Rock好きのはずなのに・・・。
う~ん、やりたいことは分かる。あなたはいつでも新しいことに挑戦してたいんだね。。。。
でも気持ちが先走ってて、アルバム全体としての印象が散漫になってしまっている。好き放題やっちゃいましたー!って感じは好感持てるけど、収拾つかなくなってるじゃん。
とりあえず、アレンジャーのMrtingTang発注に忠実すぎ!
「誰與爭鋒」は70年代キーボードロックっぽく、「關鍵時刻」はLINKIN PARKっぽくって言われたのか~!って感じ。
Mrtingの分かりやすい70~80年代テイストの編曲は好きだけど、こんな底の浅い仕事してちゃだめだよ(-_-;)
王力宏が作ってくれた「火」は個人的にイマイチ。funkやりたいんだろうけど、こういう軽めのよりもうちょっとどっしりした重めのgroove感溢れるやつの方が阿妹には合ってるんじゃないかな。
スカイ・ウー(伍思凱)さんにも「Funk調の曲をやりたい」と言って「走りすぎてる。台湾では受け入れられない」と断られたらしいけど、彼にこそこの仕事受けて欲しかった。。。
「那魯灣情歌」は「站在高崗上」以来久々の“山地歌”と呼ばれる原住民音楽がモチーフになった民謡(注※ 諸説あります)の焼き直しなんだけど、これまでこういう曲は意識的に避けていたんだと思う。
というもの以前インタビューで「いつまでも~♪あなたは私の姉妹、あなたは私のおばさん、あなたは私の姪っ子♪~みたいに歌ってるわけにいかない」と言っていて、固定されたイメージにとらわれるのを嫌っている節があったから。
でも“杭州事件”以降、自らのアイデンティティを揺るがすようなことがあったから最終的には“原住民”という自分の立ち位置を表現することに積極的になったのかな、と。
この曲はすごくパワフルで、台湾観光協会の東南アジア向けCMで使われているんだけど、日本でもこれ使ってくれないかな~。
「也許明天」のブルース調も良いんだけど、曲の展開がちょっと無理めでスムーズじゃない。「只愛高跟鞋」はオールディーズ風で、こういうノリの曲もちょっと面白い。
ホントに何でもやれちゃうんだよな、この子。
「誰與爭鋒」は途中のコーラスがQUEENっぽくて、最初聴いたときは爆笑してしまった。キーボードの音色もオルガン風なので、懐かしい(ってリアルタイムで聴いてないけど)キーボードロック。
「魅力十足」はアイスティーのCMソングだったんだけど、こういうスコーンと突き抜けた曲はわりと好き。Martingの編曲は好きだけど、作曲は評価してなかったのでこれは拾いモノ(笑)。
でも“天后”が歌う曲か、っていうと・・・・ちょっとねぇ。
個人的に感じたのは、歌声に悲壮感漂ってて、彼女が苦しんだ気持ちがいっぱい詰まってるのが感じられ、正直聴いてて辛い。重い。
騒動前にVo録音した「神采飛揚」「魅力十足」とそれ以外の曲を聴き比べてもらうと、ちょっと分かるかもしれない。
私はサイトをやっていて彼女のニュースをずっと追いかけているから、いろいろと余計なことを考えてしまうのかもしれないけど聴いてて苦しくなるので、しばらく封印してた。
決して出来は悪くないし、ワーナーに移籍してからのアルバムとしては一番好き。いい曲もあるし、なに歌わせても上手いんだけど何かが足りない。
まあ彼女に対してはこちらの期待も大きすぎるのかもしれないんだけどね。
阿沙さん@五彩華やdrewさん@あじあん・ちゃんぷるーでも褒めてもらっているけど、私の感想はインサックさん@原色大衆音楽図鑑EXに近いかな。
参考URL:(すべて繁体中文)
華納線上音樂雜誌 - 也許明天專區
音樂不寂寞/十推唱片良品:張惠妹-也許明天
銀河網路 音樂系:張惠妹《也許明天》
Visit Tiwan 2004 (音出ます)
Welcome to Taiwan 香港版 (音出ます)










comments
私は単純に「阿妹好き→ロック好き→わーいこの路線いいわー♪」みたいな感じでしかなかったんですけど(浅いな…orz)、まだまだ聴き込み足りないな…。
「何でもやれちゃう」と言うのはそうですよね。阿妹は引きだし多いなと思いますし、やっぱり基本的に歌自体が上手くないと引き出しも何も無い訳で。
まだ先になることでしょうが、次回がどんな路線で来るかも楽しみですね。
エキブロメンテ中でTB送れないので、あとで送りますね。
う~ん、私も最初聞いたときは「ワーナーに移籍してから一番マシじゃん」と思ったんだけど、アルバム全体としてのバランスが悪いし、声が悲しそうで聴いてて気分が重くなってしまって、しばらく聴いた後3ヶ月くらい聴くのやめてたんです(^_^;)
曲ごとの表現は悪くないんだけどね。
歌が巧くて何でもこなしちゃう雑食系のところが、器用貧乏で損してると思います。出された物は残さず食べる、みたいな(笑)。
「誰もついてこなくたってこれがあたしのスタイルよ!」みたいな押しの強さがないところが魅力でもあり、欠点でもあり。。。
はぁ、、、難しいですね。
今はまだ長い岐路にいるんだと思います。でも私は彼女を信じてるから、まだ当分追いかけていくつもり。
阿妹のファンは熱心な方多いですね~。
おれは彼女の大ファンというわけではないんですが、「発焼」というアルバムはすごく好きです。
jingさんのこのブログ、すごく興味深いです。勉強になりました。
特に阿妹が台湾原住民だったことを初めて知りました!そうなんだ!
古いエントリーにTB飛ばしてすみません(^_^;)
これでも一応ファンサイトやってるので、詳しいんです(苦笑)。
A*mei-project↓
http://www.a-mei.jp/
『發燒』は個人的には「バランスを取ることに腐心してて辛そう」と思いました。(ぶっちゃけトーク)
原住民ネタは書きたいことがいろいろあるんですが、まだボチボチやっていきます。