ついでにアーメイ(張惠妹)の新しいアルバムのことも書いておこう。
新しい、って言っても去年のだけど(汗)。
音楽は音そのものを楽しめばいいのであって、予備知識はまず音を聴いてからでいいと思うけど、このアルバムについてはちょっと背景を説明したい。
2004年6月、アーメイは“杭州事件”と呼ばれる中国ネチズンの抗議事件に巻き込まれた。
それ以前に2000年の陳水扁総統就任式典で台湾国歌を歌ったことにより“台湾独立派”とみなされ、中国国内でのCMや楽曲放送中止・コンサート/イベント出演禁止というめにあった。いわゆる“封殺事件”である。
当時締め出しを喰らったアーメイだがこういう“非文化的”な制裁は国際社会の反発を生み、結局10ヶ月後にイベントで大陸での復帰を果たした。
2004年4月アイスティーのCMキャラクターとしてCMに登場。食品会社主催のバンドコンテストにゲスト出演し、各地を回っていたのだが6月に杭州で学生を中心とした抗議活動に遭い、出演中止を余儀なくされた。
そのときネットを中心として様々な誹謗中傷、デマがばらまかれた。それをマスコミが報道し、今度は台湾側から「大陸に媚びている」などという論調が飛び出てきて、アーメイは大陸と台湾の両岸から責めたてられた。
8月に“封殺事件”以来初めての大型有料コンサートを北京で開いたが、厳重な警備がしかれ物々しい雰囲気だったという。しかし一度ついたイメージに世論は厳しく、会場は8割程度の入りだったそうだ。
そんな苦しい時期を経て生まれたのがこのアルバムなのだ。