《ぼくのフットボールの夏》(奇蹟的夏天:06年台湾)
2007.09.14 Friday 23:21

台湾東部、花蓮の美崙國中(中学校)ではサッカー部の子供達が学校の一部屋を宿舎代わりに寝泊まりしている。
部員の2/3は原住民。朝は6時から朝練を開始し、8時から授業。
授業が終わると練習、夜は補習。
まるで兄弟のように、いや兄弟以上に親しく、寝食を共にしている。
彼らは決してサッカーエリートではない。
勉強にあまり熱心ではない彼らに、学校生活での楽しみを与えようと、校長が工夫した結果できたのがこのサッカー部。
家が貧しく(おそらく学校からも相当遠い)ため、学校に寝泊まりして生活の時間のほとんどをサッカーに当てている彼らは強い。
国際試合にも出場し、注目を浴びるサッカーチームだ。
この映画は、2006年3月から9月まで、美崙國中サッカー部3年生17人に密着撮影したドキュメンタリーで、昨年の金馬奬(台湾のアカデミー賞に相当)で最優秀ドキュメントフィルム賞(最佳紀錄片)を受賞している。
“海”がテーマのアジア海洋映画祭イン幕張コンペティション作品だが、テーマは海というよりも子供達の青春だろう。
という時間をいっしょに過ごした彼らの、最後の半年を切り取った作品だ。
スポーツに打ち込んだことがある人は、きっと彼らに共感できると思う。