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『台湾先住民・山の女たちの「聖戦」』柳本通彦

慰安婦問題、というとやはり朝鮮半島のことを思い浮かべるが、台湾原住民にも慰安婦はいた。そんなショッキングな事実を突きつけられて、私は正直呆然とした。

この本はインタビューを書き起こした形式をとっているため、被害に遭われた方たちのつたない日本語がそのまま文字になっている。
母語の干渉か、彼女たちの言葉には特徴がある。
「同じくない」「おった」「おるでしょう」「~名(~人)」「あれ(あの人)」「馬鹿にされた(侮辱された)」「いかない(いけない)」など、山の人たちのぶっきらぼうな語りが耳元で聞こえてきそうだった。

今もお年寄りたちは日本の名前を使っているが、彼女たちには日本の名前がある。
それは私と同じ名前であったり、友人や親戚と同じ名前だ。
おそらく仮名だろうが私と同じ名前の人が騙されて連れて行かれ、暴行され、流産し、戦争が終わってからも罪悪感に苦しむ様子を読むのはつらかった。

原住民の社会は若い者は年長者に、女は男性に絶対服従だ。
とくにお年寄りの倫理観や貞操観念は、民族固有の物かそれとも当時の教育の影響かわからないが、日本の年寄りと同じで非常に厳しい。
それを考えると彼女たちが戦後いかに生きづらかったか、想像に難くない。
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高山族ねぇ

ときどき「名前ってなんだろう?」と考えることがあるんですが、こんな記事。(多分リンク先はすぐ消えます)

台湾で活躍する孝行娘 ビビアン・スー  ゲンダイネット(excite)
(前略)
 台湾・台中県出身。本名スー・ローセン。身長161センチ、B85・W57・H85。少数民族(高山族)の母と漢民族の父の間に生まれた。姉と弟がいる。小さい頃は貧乏で、テレサ・テンそっくりの声を持つ歌自慢の母が歌謡コンテストに出まくって優勝した。自宅の家電品を賞品で揃えたのが自慢だったという。
(後略)

ビビアン・スー(徐若[王宣])が台湾原住民タイヤル(泰雅族)の血をひいているってのは結構有名で、自書『ビビアン・スーの我愛Taiwan』でもそのことを書いている。
お父さんは漢族、お母さんはタイヤルで彼女の母方のお祖母さんは國語(中国語)ができない。その為、ビビアンが日本語を学んでからお祖母さんと日本語でできるようになったのだとか。

それにしても……「高山族」って……。中華人民共和国風の呼び方だよな~(苦笑)。
日本人の語彙だと「高砂族(たかさごぞく)」じゃない?
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雑感 > 台湾原住民 : comments (274) : trackbacks (0) : 編輯 このエントリーを含むはてなブックマーク

『台湾統治秘史~霧社事件に至る抗日の全貌』喜安幸夫

最近霧社事件に興味を持っている。
図書館に行って本を数冊借りてきたうちの一冊だが、副題のとおり霧社事件についてだけではなくそこに至るまでの数々の抗日行動について書かれているのが興味深かった。

台湾における日本統治はなんだか美化されていて、霧社事件だけが特殊な出来事のように思っていたが、これを読むと清国から割譲される際にも袁世凱から「小乱三年大乱五年」と言われるほど「治めにくい場所」であったようだ。

大陸から離れている小島という地理的な要因もあって、清国も「化外の地」と認めていた台湾には大陸から逃げてきたならず者や山師が多かった。
彼らは国家としての抗日ではなくあくまでも個人のための抗日をしてたに過ぎないが、現在は忠士として祭られているんだそうな。

国が変われば歴史評価も変わるのね。
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《出草之歌~ある台湾原住民の吶喊 背山一戦》

タイトルの散漫さが表すように、なんとなく焦点がぼけた映画のように感じた。
これは高金素梅のドキュメンタリー?それとも原住民音楽と政治活動家の話?
でも制作者が言いたいのは「これをきっかけに靖国問題を考えてくれ」ということだろうな、と感じた。

結局はこの映像を通じて制作者の主張を伝えたいのか。
だとしたらまたも原住民は利用された?

なんとも消化不良でいろいろと考える課題を与えられたような気がするが、それが狙いだとすればまあ成功ではないだろうか。
ただし私が考えるのは靖国問題ではなく、台湾原住民の問題だけれども。


これ以降はかなり映画の内容に触れるので、ネタバレを嫌う人は読まないでください。
まあドキュメンタリー映画だから、ネタバレというのもおかしいかもしれないけれど、私の考えや主張も書くので真っ新な状態でこの映画を見たい人は読まない方がいい。

なお私の基本姿勢は以下の通り。(細かい説明は省く)
 ・首相の靖国参拝には反対。
 ・A級戦犯合祀反対。
 ・高砂義勇隊の分祀反対。
 ・台湾原住民を利用した政治パフォーマンスに反対。

私は台湾原住民出身の流行歌歌手を入り口に、台湾と台湾原住民に興味を持ち、原住民の方達とのふれあいを通して彼らの文化に触れそれに魅了された。
つまり台湾の中では原住民に一番シンパシーを感じている。
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映画・演劇 > 亜州電影 : comments (658) : trackbacks (1) : 編輯 このエントリーを含むはてなブックマーク

『ラチとらいおん』にやられた

久しぶりにヴィレッジ・ヴァンガードに行ったらヤヴァイことに……。

あの店は危険だ。
欲しくなる物がわさわさある。ありすぎる。。。
「節制しなきゃ」とか言ってたのに、物欲指数が急上昇、一人で「ハァハァ」言っちゃったよ。

今回どうしても我慢できなかったのがコレだ!

絵本!!!
ラチとらいおん』はハンガリーの作家マレーク・ベロニカ(Mar´ek Veronika)の作品で日本では1965年発行。
……って、私が生まれる前からあるのか。

弱虫の男の子ラチが出会った小さくて赤いらいおん。
らいおんといっしょに過ごしてラチは強くなり、そして別れは突然訪れる。

「この本が泣ける」とか「この映画が泣ける」とかいう煽り文句は大嫌いなんだけど、泣いちまったよ。
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日常 > 物欲 : comments (1309) : trackbacks (0) : 編輯 このエントリーを含むはてなブックマーク

気になる《ウォン・カーウァイ DVDコレクション デジタル・リマスター版》

私はウォン・カーワイ(王家衛)が嫌いだ。
あの

美しい映像だけ垂れ流しておけばいいんだろ?
スターが出てるんだからみんな見るだろ?
台本なんかなくたっていいんだよ、編集で何とかするから。
ストーリー?結末?みんな勝手に想像してよ、そこまで面倒見られないよ。

という態度が嫌いだ。

誤解かもしれない。
でもダメ、受け付けない。

見終わって消化不良、胃もたれ感120%。
つか金返せ!!!!!!
そう思うのが嫌だ。

でもこれは気になるのよ。

23日発売された《ウォン・カーウァイ DVDコレクション デジタル・リマスター版》には未公開チャプターが収録された特典ディスクが付くらしい。

私は音楽から王菲に入っていて、《恋する惑星》はレンタルビデオで見た。
前半退屈で死にそうになりながら、後半の王菲×梁朝偉のエピソードに釘付けになった。

なぜこれで1本撮らない?! (児玉清inアタック25風に)

ファンの贔屓目もあるかもしれないけど、ストーカー状態の王菲と部屋の模様替えにも全く気が付かない傷心の梁朝偉にほのぼのした。
とてもかわいいラブストーリーだと思った。
その後、リバイバル上映されているとき映画館にも見に行った。

私はある映画が気に入ると俳優ではなく監督を追いかけて他の作品を見るタイプなので王家衛作品を追いかけて撃沈(=睡魔に勝てず)という話は以前のエントリー「《2046》白状します」に書いた。

いまや「王家衛作品」と聞いただけで「あーーーー、つまんないんだろうな私には合わないんだよな」と思うようになっている。
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中華芸能 > 王菲 : comments (396) : trackbacks (1) : 編輯 このエントリーを含むはてなブックマーク

24日より《出草之歌~ある台湾原住民の吶喊 背山一戦》

靖国神社における台湾原住民の合祀取り下げ問題についてのドキュメンタリー、《出草之歌~ある台湾原住民の吶喊 背山一戦》が、6月24日から7月7日までシネマアートン下北沢にてレイトショー公開されます。

私は見に行くつもりですがここで紹介することには迷いがありました。
なぜなら私は高金素梅が嫌いだから。

嫌いな人や事柄については書きたくないし、書かないように心がけていました。書くとどうしても批判や嫌悪・憎悪の気持ちが現れてしまうから。
このドキュメンタリーに触れることは主役である高金素梅に触れることになります。

彼女の経歴についてはウィキペディアをご覧いただくのがいいと思います。
 高金素梅 - Wikipedia(日本語)
 高金素梅 - Wikipedia (繁体中文)

「あんた台湾原住民マニアなんだから当然合祀取り下げに賛成なんでしょう?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、私はこれについて素直に同意できない。
なぜなら高金素梅のアイデンティティは外省人であって、結局は政治パフォーマンスに“原住民”を利用しているだけだと感じているからです。

私には「原住民を利用する悪い平地人」としか思えない。
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雑感 > 台湾原住民 : comments (1597) : trackbacks (0) : 編輯 このエントリーを含むはてなブックマーク

Discovery「台湾人物誌」は今週末

はいはーい!みんな忘れないで観てね!

台湾人物誌|華流アジアの歌姫・張恵妹
06/24(土) 19:00~20:00
06/25(日) 03:00~04:00(再放送)
06/25(日) 15:00~16:00(再放送)
06/26(月) 14:00~15:00(再放送)
06/30(金) 12:00~13:00(再放送)
DiscoveryChannelは各社ケーブルテレビ、あるいはスカイパーフェクTV!で視聴できます。
またブロードバンドでは4th MEDIAKDDI光プラスTVスカパー!光BBTVなどでご覧いただけます。(視聴にはそれぞれ契約が必要です)

日本での放送時間については張惠妹ニュースblogANF5月17日記事コメント欄でlingnaさんから教えていただきました。>lingnaさん、感謝!!

私がここ4年間応援してる歌手アーメイ(張惠妹)ドキュメンタリーです。
アメリカのDiscoveryChannelと台湾政府行政院新聞局(マスコミ担当局)が合同で製作した番組で、各部門投票で選ばれた台湾の伝記的人物が紹介されています。
阿妹は大眾文化與娛樂部門で選ばれました。

台湾ではすでに放送済み。
とりあえず一足お先に中文字幕版を観ましたが、うまく政治的なことを薄めて(苦笑)一人の先住民歌手が自らの努力と家族の支えで成功していく様子を表現しており、さらには台湾音楽業界の流れも紹介しているという構成でした。

下記URL、アーメイ(張惠妹)の写真の下の「 >播放影片」という文字をクリックすると、予告編が見られます。
DiscoveryChannel 台湾人物誌 張惠妹

音楽業界の方々もコメントをしていて、ジョナサン・リー(李宗盛)、エリック・チャン(陳子鴻)、 作詞家ヨーク・ウー(鄔裕康)、さらにデビッド・タオ(陶[吉吉])が阿妹について語っています。
とにかくタオさん語りすぎ!!!(笑)
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中華芸能 > 張惠妹 : comments (758) : trackbacks (0) : 編輯 このエントリーを含むはてなブックマーク

第十七屆金曲奬授賞式見ました

バタバタしてたのでこっちは更新してませんでしたが、年に一度の祭りは終わりましたね。

毎年候補者選出で議論を呼び、受賞者でも議論を呼ぶ金曲奬(笑)。
今年も候補者が発表されると「另類(普通と異なる・オルタナ系)」ばかり優遇されて「主流(メジャー、つまり売れてる)」歌手は阻害されたとか批判されてましたが、そんなの今に始まったことじゃないじゃん(苦笑)。

あれは売れてる歌手がまともに受賞する賞じゃないんだから!(爆)

しかし蓋を開けたらメジャーな人ばかり受賞してましたね。
まあ順当といえば順当ですが、「分豬肉(公平な分配)」といわれても仕方ない。
だって売れてる歌手に賞あげるなんて金曲奬らしくないもん!!(笑)

なーんて、今回は自分が応援してる人が賞取りに絡んでないから言えるんでしょうけど。
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音楽 > 中華 : comments (939) : trackbacks (0) : 編輯 このエントリーを含むはてなブックマーク

『直覺』Soler

『直覺』(台湾版)Solerあー、すみません。
いまさらハマりました。

去年わいわいわいさん@ほんこんからさぶかるるがご紹介下さっていた「Soler 時代廣場前Live」のを見て
「ほー、こういう人たちも出てきたのか」
と軽く試聴などしてみましたがピンと来ず。
すっかりそのまま放置してましたが、先日台湾の娯楽新聞で張惠妹と共演してるのを見てやられました。

スタジオで歌ってる雰囲気がとてもよかった。そして驚異のハモリにやられました。聞いてて気持ちいい!
歌声も素晴らしかったんだけど、実は動いてる姿がかなーりツボに入ったのでした。特に動くJulio(兄)!

好みのタイプ、ど真ん中。

そうそう、私って“一昔前の男前”みたいなバタ臭い顔か、南方系中国人のクッキリした顔が好きなんだった。

Solerはこれまで『雙聲道』と2枚のアルバムを発表してるんだけど、今回台湾で活動してたのは国語メインアルバム『直覺』の台湾版が出たからだった。
雙聲道』は英語・広東語・北京語の楽曲が収録されているというのでそれも聴いてみたかったんだけど、番組で演奏されていた「直覺」がかっこよかったのでそのMVが集録されたVCDが付いてる台湾版『直覺』にしてみた。

決して動くJulio(兄)をもっと観賞したいとか、そういう理由じゃないよ!
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音楽 > 中華 : comments (1279) : trackbacks (0) : 編輯 このエントリーを含むはてなブックマーク
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